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今週の季語

【1月26日(月)〜2月1(日)】   樫尾双子
冬霞
(ふゆがすみ)
風のない比較的穏やかな冬の日に見られる霞を「冬霞」、その中でも寒中の霞を「寒霞」という。似たような気象現象である霞・霧・靄は見分けが付きにくく、実際厳密な区別はない。古くは、霞と霧は春秋に区別なく用いられていたが、後年、春の霞、秋の霧と分けられるようになったという。俳句の季語もそれに一致するが、靄だけは単独では季語となっていない。厳しい寒さが緩んだ日など、山裾に霞が棚引いているのを見ることがある。冬枯れの景色の中にうっすらと棚引く霞を見ると、どことなく春の気配を感じるものである。「冬霧」「冬靄」に比べ、「冬霞」、特に「寒霞」には春間近を感じさせる季語であるといえるだろう。
障子
(しょうじ)
和室に欠かすことの出来ない障子は冬の季語である。格子状の骨に和紙を貼って風や寒さを防ぐことから冬季とされるが、それだけではないだろう。冬は家の中まで日差が届き、刻を追ってさまざまな影を障子に投げかける。幾何学的な線と、純白の和紙に濾過された光と影は柔らかく美しい。また静寂感も漂う。
立春を過ぎる頃ともなると日差も春めいて来る。「春障子」に差し込む日差は日に日に明るさを増し、時間も長くなる。人の動きに合わせるかのように、障子の開け閉めも頻繁になり、冬の「障子」とは趣を異にするのである。
「今週の季語」シリーズは今回が最終回となります。
長い間ご愛読ありがとうございました。
2月から本コーナーは「今週の季語・一句抄」として、その週を代表する季語と俳句作品を紹介してまいります。
引き続き宜しくお願い申し上げます。

また、「会員の広場」では新連載【旬の季語】が2月2日よりスタートします。
折々の季語を作品を交えながら紹介してまいります。ご期待下さい。

【1月19日(月)〜1月25(日)】   鈴木五鈴
室咲
(むろざき)
本来の花期ではない季節に咲かせる花のことであり、とりわけ花の少ない冬期に温度と日照時間を調節して咲かせた温室栽培の花のことをいう。古くは室の梅が珍重されたというが、今ではカトレアやシンビジウムなどの洋ラン等、南国や熱帯の花が代表であろう。しかし、次第に温室栽培よりも輸入による花々が一年中出回るようになり(野菜や果物も例外ではなくなっている)、「室咲」という季語も危うい存在になってきている。
日脚伸ぶ
(ひあしのぶ)
冬至を過ぎると次第に日照時間が長くなる。理屈では確かにその通りなのだが、それを実感するには若干のタイムラグがある。本当の寒さが、冬至から約1ヶ月ほど遅れてやってくるように、しばらく忘れていた夕空という明るさの余韻に気づくのも、その厳寒の頃ではないだろうか。日一日と日脚が伸びるのを実感し、ふと小鳥のさえずりなども耳に届くようになる。待春の思いが膨らむのもこうした時のことであろう。
厳寒
(げんかん)
広辞苑には「冬のきびしい寒さ」とだけ記されている。実にそっけない。しかし生活者の立場でのこの厳寒は、文字以上に重いはずである。シベリアからの寒波が日本列島を襲うと、北海道・東北・北陸などの豪雪地帯の気温は氷点下10度或いは20度、さらにはもっと低温になる地域もある。太平洋側もおそろしく寒くなる。暖かくなることを念じながらじっと耐えるしかない。日脚の伸びる気配に心を預けながら…。