室咲
(むろざき) |
本来の花期ではない季節に咲かせる花のことであり、とりわけ花の少ない冬期に温度と日照時間を調節して咲かせた温室栽培の花のことをいう。古くは室の梅が珍重されたというが、今ではカトレアやシンビジウムなどの洋ラン等、南国や熱帯の花が代表であろう。しかし、次第に温室栽培よりも輸入による花々が一年中出回るようになり(野菜や果物も例外ではなくなっている)、「室咲」という季語も危うい存在になってきている。 |
日脚伸ぶ
(ひあしのぶ) |
冬至を過ぎると次第に日照時間が長くなる。理屈では確かにその通りなのだが、それを実感するには若干のタイムラグがある。本当の寒さが、冬至から約1ヶ月ほど遅れてやってくるように、しばらく忘れていた夕空という明るさの余韻に気づくのも、その厳寒の頃ではないだろうか。日一日と日脚が伸びるのを実感し、ふと小鳥のさえずりなども耳に届くようになる。待春の思いが膨らむのもこうした時のことであろう。 |
厳寒
(げんかん) |
広辞苑には「冬のきびしい寒さ」とだけ記されている。実にそっけない。しかし生活者の立場でのこの厳寒は、文字以上に重いはずである。シベリアからの寒波が日本列島を襲うと、北海道・東北・北陸などの豪雪地帯の気温は氷点下10度或いは20度、さらにはもっと低温になる地域もある。太平洋側もおそろしく寒くなる。暖かくなることを念じながらじっと耐えるしかない。日脚の伸びる気配に心を預けながら…。 |